【イザシズ】1999の年7の月
1999年7の月、 空から恐怖の大王が来るだろう、 アンゴルモアの大王を蘇らせ、 マルスの前後に首尾よく支配するために。 このフレーズを
新宿に帰る際に、臨也はわざと遠回りして静雄の部屋の前を通る。 情報屋であるからしてその部屋の場所を知ることくらいは容易いことで、臨也は非合法と合法
吾輩は研磨である。 名前はまだ――って言おうとしたけれど、いま名乗ったように研磨という名前だ。 三毛猫で、茶色の真ん中に黒い毛が生えている。雄の
1.金では買えない君のこと 金を渡す――いや、渡すという表現は正しくないかも知れない。 正確には八田美咲と会ったとき、帰り際に金を置いていくように
きもちいいのに、きもちよくなくてなぜか泣きたくなるときがある。 口唇を擦り合せて舌を挿し入れると、それをやんわりと噛まれて思わず声を漏らす。いつま
待ち合わせに遅れたので、若干いらつきながら電車のドアと手すりに凭れる。銀色のつめたい手すりと手のひらが接触する、その接触面から少し思考が冷静になった
非番の前夜、愛人契約をしているひととセックスをしながらラグジュアリーホテルの高層階から夜景をみるとき、俺はとてつもない不安感に押し潰されそうになる。
上に乗るの結構すきなんです、とのんびりとした口調でいわれたとき、俺は一瞬意味が分からなかった。一拍おいて、「ああ、あんた騎乗位好きですよね」というと