【乱寂】映日果を食む

Hasmi/ 7月 18, 2020/ 小説

 正直なところ、いまの俺にはいったいこれが《何度目の夏》なのか分からなかったけれど、兎にも角にも《今夏》はひどく蒸し暑くて無性に肌の内側にこもっている

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【乱寂】欠ける高潔

Hasmi/ 2月 5, 2019/ 小説

 僕は昔から人間という脆弱ないきものを疎んでいたのだけれど、いつしかひとりのおとこに惹かれている自分に気づいてしまった。いや、惹かれ合っているといえば

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【乱寂】ナイフ・オブ・ワーズ

Hasmi/ 6月 5, 2018/ 小説

※五年前設定の蜜月期乱寂です、ご注意下さい。  午後七時半ジャスト、玄関から鍵を回す音とオートロックが解除されるそれがきこえた。合鍵を渡している人間は

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【乱寂】神を犯すということ。

Hasmi/ 4月 30, 2018/ 小説

 セフレというものはどこからどこまでなのだろう、とかんがえて僕はそこで思考放棄した。かんがえても益体にもならないそれはただ思考を占領するだけで、結局の

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【乱寂】グラビティロリポップ

Hasmi/ 4月 25, 2018/ 小説

 当直のない日でそれが金曜日であること、それが第一条件だった。土日は互いの職業的に公休が取れることが多いので、自然とそうなったといえばいいのかもしれな

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【左銃】meth/death

Hasmi/ 4月 12, 2018/ 小説

 何かがおかしいとおもった、部下に呼び出された場所の指定が横浜埠頭の倉庫なのも、そこで薬物の取引がおこなわれるであろうということも何かしらきな臭いと感

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【シェオブ】フリークス

Hasmi/ 3月 4, 2018/ 小説

 黒ダリアを一輪買った。  それは大層、華美な一輪だ。  不気味で薄暗くて世間の汚らしいところも知っていて、だけどその汚らしい生き方を自ら選んだような

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【シェオブ】潰れる果肉

Hasmi/ 3月 4, 2018/ 小説

「幼い頃から、僕は誰とも分かりあえずに生きて死んでゆくのだと覚悟を決めていた。それは父に対しても、母に対しても、学校の級友たちに対しても変わらなく、僕

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【シェオブ】硝子の船

Hasmi/ 3月 4, 2018/ 小説

「冬の海に行きたい、」と君が言ったので、僕ら二人はバスを乗り継いで海岸沿いまで来ることになった。正直、さほど気乗りがしなかったのだが、彼が余りにも翳り

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【シェオブ】君に降る雨 

Hasmi/ 3月 4, 2018/ 小説

※冒頭部分が、若干『盲目ゆえ、腐敗』とリンクしています。  講義が終わった後、サーフは携帯を取り出してあの透けるような金髪を脳裏に描きながらヒートへ発

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【シェオブ】木香薔薇と白詰草

Hasmi/ 3月 4, 2018/ 小説

「いい加減──死にたいんだ。」  何の前触れもなく、サーフ・シェフィールドの口からそんな言葉が出たのでヒート・オブライエンは一瞬にあいだに鋭いナイフを

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【シェオブ】シャム

Hasmi/ 3月 4, 2018/ 小説

──ああ、苛々する。 砕いてしまいたくなる。 その覗き込む目玉を抉りたくなる。 君を引き千切りたくなる。 引き千切る──?  そうだ、僕が千切りたいの

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【シェオブ】目蓋のシェルター

Hasmi/ 3月 4, 2018/ 小説

イェールからの帰り道、ヒートはサーフが壮年の男性と歩いているのを見かけた。親戚か何かと思ったのだが、どうやら雰囲気と視線がおかしいと思い、ヒートは二人

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