【乱寂】テセウスの船は沈みゆく
「――ああ、いた! 乱数くん、待ち合わせに遅くなってしまってごめんね、南口はふだんあまりつかわないから、」 「もーっ、寂雷おっそ! 遅すぎるから連れて
「――ああ、いた! 乱数くん、待ち合わせに遅くなってしまってごめんね、南口はふだんあまりつかわないから、」 「もーっ、寂雷おっそ! 遅すぎるから連れて
めずらしく、真っ昼間。有給を合わせてとって伏見くんと行きたいところがあるのですといわれたので、どこへいくのかと任せてみたのだがここはどうみてもホテル
誰にもいっていない、ちょっとした癖がある。それは廃ビルやセキュリティのあまいビルにはいりこんで、屋上からあたりを見回すことだ。まだひとにいったことが
「一等星でしょ、天狼。シンジュクという街の摩天楼とかけてるといっても、そのなかにシリウスをいれるだなんてきみに似合わないよね。辛気臭くてブラックホール
※過去に礼尊の関係があったことと、伏見さん(小学二年生時)が仁希さんにキスをしたという内容を含んでます。猿礼固定以外が苦手な方はご注意くださいませ。
「ヒート、僕の左手の中でどの指が好き?」 何でもない昼下がり、寮の僕の部屋へヒートを招き入れて紅茶を淹れながらさり気無く聞く。 彼は少しいぶかしんでテ
甘い甘い、煮詰めたジャムより甘い毒を吐いたことがある。 それはヒート・オブライエンを地べたへ這いつくばらせ、雁字搦めにした両手へ鎖をかけ何周もさせ
イェールからの帰り道、ヒートはサーフが壮年の男性と歩いているのを見かけた。親戚か何かと思ったのだが、どうやら雰囲気と視線がおかしいと思い、ヒートは二人